気持ちを「流す」

感情は常に動き続けている。


時には穏やかに、時には激しく。
上がったり、下がったりを繰り返し。
小さな波、大きな波、
水面に浮かんでは消える泡のように様々ななイメージが浮かんでは消え、
わたしたちの心を作っている。


いつも喜びを感じたり、楽しい気分、幸せな気持ちで過ごせたら、と誰もが願うところだろうけれど、
ネガティブな感情というものはどうしても避けられないものだと思う。


ネガティブな感情を感じないようにする、無理やり言い訳をこじつけてポジティブに考える、というのは不自然かつ無理な話で、
感情を抑えつけるか、自分を欺くことにしかならない。


大切なことは、ネガティブな感情を感じないようにすることではなく、
いかにネガティブな感情に「とらわれない」「とどまらない」ようにするか、ということ。
それは自分を欺くことでも、現実逃避でもない。


気持ちに「流される」のではなく、気持ちを「流す」ということ。


常に流れている水は澄んでいる。
流れが滞った水は淀んで、濁ってしまう。
心も同じこと。
流れている心は澄んでいて、流れの滞ってしまった心は濁ってしまう。


ネガティブな感情に対応する3原則。

  • ネガティブな感情に焦点をあてない
  • ネガティブなことをいつまでも考え続けない
  • ネガティブなことを何度も思い起こして考えない


自分でネガティブな感情を「引きとめない」ということ。
そして自分でその感情にとどまらない、捕らわれない、ということ。
それを決めてしまうこと。


どんな感情や考えでもそうなんだけれど、
繰り返し思うこと、考えることはそのたびにその感情や考えが強くなって、
さらに思い起こしやすくなって、そのたびにもっと強くなる。
(小さな浅い川に大量の水が流れ続ければ川が深く太くなってしまうように、脳のその部分の感情回路が電流が流れ続けることによって強化されてしまう)



ネガティブな気持ちは思い起こして考えれば考えるほど、
その気持ちや考えが心に浮かびやすくなって、
さらにその気持ちが強くなってしまう、ということ。
悪循環が強化されて抜け出せなくなっていく、ドツボにはまってしまう。


ネガティブな気持ちになったとき、
そのものごとの事実はちゃんと受け止める、感じたままのネガティブな感情も認める(容認する、という意味ではなく、あるがままに「認識する」)、
しっかりと記憶に刻んで(きちんと対処、対応するために)、感情は「流す」。


トイレの水を流すみたいに。
ボタン押すのでも、レバーでも、
水がざっと流れていく様子を想像するとやりやすい。(笑)
Flush, done! (ジャーっ、終わり!)
ネガティブな気持ちを流してしまう。
それでもまた浮かんだら、また流す!


ネガティブな気持ちを流すなんて、すごく難しそうだけど、
一度そうするときっぱり決めてやってみると意外と簡単。
それが習慣になると気持ちも楽になってくれば、自分自身や周りのものごとの流れが良くなってくる。


おためしあれ。